魚はさばくよりも盛り付ける方が難しい
日本では昔からタンパク源として、肉類ではなく魚を多く食べてきました。
しかし近年では漁獲量が減少したことによる価格の上昇や、食文化が海外からの影響で肉食に傾いたことから、家庭で積極的に魚を食べようという人が減ってきています。
以前までは魚を自宅で食べる場合には一匹まるのままで購入をしてきて、自力でさばいてから好きな料理にするのが当然だったのですが、魚類の加工品が増えたことから、ほとんど「魚をさばく」ということ自体がされなくなっています。
魚をさばくのは、なかなかコツの必要な難しい作業なので、きちんと綺麗にさばけるようになるまでにはかなりの時間と特訓を要します。
魚をはさばいてから調理をし、盛り付けをするまでにもまたテクニックが必要です。
魚の盛りには難しい刺し身の他に、焼き魚や煮魚などがあります。
普段の家庭料理として食卓に出す場合には、ほとんどの人は盛り付け方を意識していることはほとんど無いでしょう。
ですが、焼いたお魚をそのまま食卓に出すときには、きちんと向きや形に一定のルールが存在するのです。
魚を盛り付ける時の基本的な手順
焼き魚をして一匹まるごとをお皿に入れて出す場合には、必ず頭を左側に、お腹を食べる人側にして配置します。
この時に魚が泳いでいるかのように見せるのがポイントで、魚の体の下に笹の葉や飾り物として緑の葉を置くようにすると、よりキレイに見せられるようになります。
また焼き魚の味を調節するため、ちょっとした薬味などをつけることもありますが、そうしたものは「あしらいもの」という名称となっています。
「あしらいもの」は大根おろしや紅葉おろしのように味を加えるもの、すだちやレモンのような香りを加える柑橘類が用いられます。
これは魚の頭の位置とは逆側の尾の下に、少量だけ置いておくというのがルールです。
基本的なルールはいずれもそう難しいものではないのですが、無意識にやっているときれいにマナー通りにすることが難しくなります。
しかし来客時などの際にはマナーに沿っているかが問われてしまいますので、ぜひとも余裕のあるうちにマスターしておくようにしたいですね。
簡単な手順としては、まず焼き魚用の平皿を用意して、そこに「かいしき」として笹を左奥の方に置きます。
次に焼き魚の頭を左前にして斜めに置いて、仕上げにあしらいものとして大根おろしやレモンの切り身を右手前においておきます。
このときに一手間となるのが、焼き魚の下に敷く「かいしき」です。
かいしきはあってもなくてもよいものなのですが、そこをあえてつけることにより、いつもの一皿が美しく見栄えの良いものになります。